【特別企画】弓月 個展「さむたい」In Collaboration with the film project of Victor Boccard

biscuit gallery(新宿)では、アーティスト・弓月による個展「さむたい」を開催いたします。

本展は、フランスの映像クリエイター Victor Boccard(ヴィクター・ボカード)が監督を務める映画プロジェクト「月の民(Moongirl)」とのコラボレーションにより実現したものです。弓月が本作のシナリオをもとに制作した30号の絵画15点を、個展形式で一挙に発表いたします。

会場では、映画のダイジェスト映像と作中の音楽もあわせて展開し、映像の世界観と絵画が溶け合う没入的な空間を提示します。映画の公開時期は現時点では未定ですが、本展ではその物語を、映像に先立って展覧会として体感いただけます。

「月の姫(Moon Girl)」は、かつて出会った“月の姫”を想い続ける主人公の記憶を軸に展開する物語です。脚本には、巨大な月、雪原、地球へ惹かれる少女、そしてラベンダーの丘といった印象的なイメージが織り込まれており、それらを絵画として描き出しました。
主人公の男性が、かつて出会った不思議な恋人__“月の姫”__のことを回想しながら晩年、取り憑かれたかのようにひたすら彼女との記憶を描き続ける、という映画の設定を受け作中登場する作品15枚をvictorの脚本から制作しました。
映画の途中、雪の降るシーンのなかで彼女は天の力(月)から逃れ、地球で生きることを選びます。その代償として彼女の命は永遠ではなくなり、死に追われることとなります。
Victorは、雪のシーンで彼女がようやく人になり、初めて「寒い」と感じたのだと話してくれました。
気温は確かに寒いけれども、大切な人と共有する時間は暖かい。
私はよく寒いのに暖かいことを『さむたい』と呼びます。
このシーンはきっとこの映画の中でとても大切で、それを表す言葉はこれしかないと思い、展示タイトルに決めました。
普段とは一味違うタッチにも挑戦しています。ぜひ映像と共に楽しんでいただけたら幸いです。

弓月

映画のために描かれた絵画でありながら、それぞれの作品は単なる挿画ではなく、物語の感情や時間、記憶の残響を受け止める独立した絵画として立ち上がっています。映像と絵画が交差する場として、ぜひご高覧ください。

【アーティスト・プロフィール】
弓月|Yuzuki

2004年 日本生まれ
2023年 東京藝術⼤学油画専攻⼊学

小学校や中学校内で蔓延っているカースト制度や全体心理を恐れ、常に普通でいようとする優等生の少女(峰内かな子)が、人目を気にせず生きる風変わりな吉澤くんという同級生に恋することで徐々に人目を気にせず自分らしく生きていこうと変わっていく自立への物語を元に、絵画や絵本、詩を創作している。
彼女の作品は社会の歯車の中で、聞こえないふり、見ないふり、そして存在さえもなかったことにされてきた者たちに焦点を当てている。

ヴィクター・ボカード|Victor Boccard

フランス出身。

俳優活動を経て映画監督・写真家へ。パリで映画を学び、ファッション映像・短編など多数を手掛ける。本作が初の日本ロケ作品。

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