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Exhibition

biscuit gallery group exhibition 「re2」

渋⾕区松涛⽂化ストリートに構える現代アートのコマーシャルギャラリーbiscuit gallery(渋⾕区松濤)では、2023年10月8日より、2021年に第1回目を開催した展覧会「re」の第2回目となる「re2」を開催いたします。

オープニングパーティーを、初日の2023年10月8日(日) 16時より予定しております(featuring Yuki’s kichen)。作家2名も参加予定です。

この度biscuit galleryでは2023年10月8日から10月28日の会期にて粂原愛と髙橋健太による展示「re vol.2」を開催致します前回の「re」に引き続き、本展示では西欧編纂型の現代美術と日本美術が交差する今日の私たちの美術的な土壌を捉え直し、改めて考える場を鑑賞者と共有する意図を下敷きに、今日のアートシーンの一部の摘録となることを目指します。

展覧会タイトル「re」は「再び」「反対」などの語意を形成するプリフィックであり、その語義的な理由から「re」とは何かしら元となる、あるいは対峙する「何か」を伴います。同時に、その「向き合う何か」は本展示における大きな主題の一つであり、本展示の目的は外来種としての現代美術の形式をそれとは異なった美術形式が既にあったこの国がそれを受容したことを前提として、その今日に結果として在るアートシーンの一部の表現を改めて考察すること、またその二種の因子をいずれとも廃さずに私たちにとっての《現代美術》の様相と可能性を見つめ直すことにあります。

とはいえ、誤解を招かないために言えば、この展示に参加する粂原も髙橋も(広い意味での現代日本という時代区分を共有してはいるものの)それぞれに表現の志向は異なったアーティストであり、企画の趣旨は二人の表現上の共通項を類推させる機会の提供ではありません。異なった志向性を持った二人が共有する土壌に考えを巡らすこと、そして交雑した因子を持ったその土壌の上に居る二人の美術家の優れた仕事を紹介すること、企画の要旨はこの二つに尽きます。そして二人の招聘にあたり、今回の「re」では「手前と奥」というライトモチーフを導入しました。前者は2000年代以降における日本絵画の表現形式について、後者は日本絵画における余白の存在や不在の表現についての言い換えであり、この構造を通じて、つまり「目に見えているもの」と「目には(直接には)映らないもの」の二つの観測地点から私たちの美術について思考する機会を築けたらと思います。

では「奥」とは何か。「奥」とは、眼前には無いが、予感によって感知できる領域であり、或いはその感性そのものとここでは定義づけています。暗がりに何かを感じて怯える心、言外に匂わされるニュアンス、若しくは他者の頭の中の世界。このことを考えるため、平安中期の歌人・藤原公任が『和歌九品』で語った「餘りの心」、後代になっては鴨長明が『無名抄』で語られた「余情」という言葉を展示上の頼りとしました。形として現れていないが、現れていないだけで、そこに在る/居るような予感がすること。今回の「re」では、これまで建具を用いて意図的に画面に遮りの効果を与え、顕現されない存在を示唆させる粂原愛の絵画とともに、この点を考えたいと思います。粂原は一つの絵画に「視えている箇所-視えない箇所」の二重性を生み出し、つまり不在を通して存在を予感させ、想像させる画面を鑑賞者に提示します。その「目の前には無いが予感はすること」こそが、本展示で考えたい「奥」の手触りであり、その不確かな触覚を述べる詩的言語が、私たちが背負う美術史には多く見受けられるように思えるのです。

一方の髙橋健太は、本人の言葉を借りるならば「残ってしまったもの」として日本絵画を捉え、明治や戦後の文化的な改造と変質を踏まえ、固有の歴史観をベースに今日の日本絵画のコンテクストを捉え、実践しているペインターです。彼の絵画には、デジタイズされた今日の私たちにとっての生活のリアリティ、近代都市の生活者のモダリティにめぐらせた考察を、彼の考える日本絵画固有の線描法、技材に由来する粒子的なテクスチャを取り入れながら、90年代の日本に生まれた世代感覚を織り混ぜながら描いたものが多く、言わば日本的な図像感覚と絵画技法に向き合い、それらを現代絵画に持ち込もうと企図するかのようです。「たまたま生まれた場所にあった美術史が、少なくとも西欧的なそれには整合性がつきにくかった。といって絶望はしたくない。ポジティブに捉える道を考えたい」と話す彼は、複雑な因子の絡み合った美術史を要素分解し、時に矛盾するかに見えるそれら一つ一つの因子を無視するのではなく、むしろそれらが共生した土壌をスタート地点とします、本展示において髙橋に頼ったのは「手前」、つまり日本絵画のフォルマリズムの考察パートですが、それは彼が堅持するようなやり方でこそ、そしてその言葉を借りるならば「残ってしまったもの」を見極めるところから始まるようにも思えます。

奥岡新蔵

アーティストプロフィール

粂原 愛 | Ai Kumehara
1989年 埼玉県出身
2015年 摩美術大学大学院日本画研究領域 修了

透過度の高い絵の具で下図を制作した後、画面全体に薄い和紙を貼り岩絵の具で彩色する手法を用いる。一度画面を半透明にリセットすることによって、色彩や形の境界を曖昧にし、描かれているものを抽象化させる。2019 – 2020年前半までは自然保護区、コロニヘーヴなど人為的に自然が作られた場所に滞在し取材を行っていたが、コロナウイルスによるロックダウンによって人々がいなくなった滞在先に突然出現した動物と対峙した経験から、動物を「何かを示唆するもの」として画面上に描く。

詳細プロフィールはこちら

髙橋 健太 | Kenta Takahashi
1997年 愛知県出身
2021年 東京藝術大学絵画科日本画専攻卒業 
2023年 東京藝術大学大学院美術研究科版画専攻所属

開催概要

biscuit gallery group exhibition
「re2」

会場:biscuit gallery 1階〜3階
参加アーティスト:粂原 愛、髙橋 健太
会期:2023年10⽉8⽇(日)〜 10⽉28⽇(土)
時間:13:00〜19:00 ※月〜水休
入場:無料
協力:奥岡 新蔵
主催:biscuit gallery

Openning Party featuring Yuki’s kichen:2023年10⽉8⽇(日)16〜19時※作家2名とも参加予定

 

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Art Fair NEWS

ART FAIR ASIA FUKUOKA 2023

biscuit galleryは2023年9月22日より開催されるART FAIR ASIA FUKUOKA 2023に出展いたします。

biscuit galleryは、Unlimited(S06ブース)にて、那須佐和子の個展「pieces of landscape」を開催いたします。このブースでは、新シリーズ作品を中心に構成いたします。

また、The Wall(W09ブース)でも2023年ポートレイト作品、moonlightシリーズなどを展示いたします。

那須佐和子《Pieces of Landscape》2023

プロフィール
那須佐和子

1996年 東京都生まれ
2021年 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻 卒業
2023年 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程油画第一研究室 修了
同学O氏記念賞奨学金 認定

那須佐和子 詳細プロフィールはこちら 

【開催概要】

ART FAIR ASIA FUKUOKA 2023
 〜Unlimited / The Wall セクション
開催日時:2023年9月21日(木)―9月24日(日)

biscuit gallery
Unlimited – S06ブース
The Wall – W09ブース

VIP View  
9/21(木) 16:00 – 20:00
9/22(金) 11:00 – 14:00

Public View  
9/22(金) 14:00 – 19:00
9/23(土) 11:00 – 19:00
9/24(日) 11:00 – 17:00

会場:マリンメッセ福岡B館
〒812-0031 福岡県福岡市博多区沖浜町2−1
Web:https://artfair.asia/

 

 

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Exhibition

鈴木秀尚個展「鳥と鏡」/ Hidetaka Suzuki “Bird and Mirror”

この度、渋谷区松濤のbiscuit galleryでは2023年9月14日(木)より、鈴木秀尚による個展「鳥と鏡」を開催致します。

「鳥と鏡」メインビジュアル

biscuit galleryでは2度目の鈴木の個展開催となり、今回は古川諒子とのダブル個展になります。
国内外での活躍を見せる鈴木秀尚の新作に是非ご期待ください。

今回同時に個展を開催する古川諒子と共に、美術作家の菅亮平さんをゲストに迎えてのトークイベントを開催します。
概要は下記をご覧ください。

作品リストはこちら

アーティストプロフィール

鈴木秀尚 | Hidetaka Suzuki

 1986年 北海道生まれ
2014年 武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程美術専攻油絵コース修了

虚構と現実をテーマに絵画を制作を続ける。普段私たちが経験する現実、そして想像し作り上げる虚構。2世界を隔てているように見せる境界線をぼやけさせ、観者に「真に見えているものとは何か」を問いかける。

詳細プロフィールはこちら

 

開催概要

鈴木秀尚 個展
「鳥と鏡」

会場:biscuit gallery 1階, 3階
会期:2023年9月14日(木)〜10月1日(日)
時間:13:00〜19:00 ※月〜水休
入場:無料
主催:biscuit gallery

【イベント開催情報】
鈴木秀尚×古川諒子トークイベント
ゲスト:菅亮平

開催日時:2023年9月16日(土) 15:00-16:00
場所:biscuit gallery


菅亮平(かん りょうへい)プロフィール

1983年愛媛県生まれ。美術作家。2016年に東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了、博士号(美術)を取得。「空虚(Void)」をめぐる思考をもとに、多様なメディアを横断的に扱いながら作品制作とアートプロジェクトに取り組み、国内外で発表する。広島市立大学芸術学部講師、Setouchi L-Art Project(SLAP)総合ディレクター。
Website : https://ryoheikan.com

 
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Exhibition

古川諒子個展「かわいそうなジェーン・ブラウンさんは国民に演説を行った」/ Ryoko Furukawa “Poor Jane Brown Gave a speech to the Nation”

この度、渋谷区松濤のbiscuit galleryでは2023年9月14日(木)より、古川諒子による個展「かわいそうなジェーン・ブラウンさんは国民に演説を行った」を開催致します。

「かわいそうなジェーン・ブラウンさんは国民に演説を行った」メインビジュアル

biscuit galleryでは初の古川諒子個展となる本展は、鈴木秀尚とのダブル個展となります。
若手現代美術シーンで活躍を続ける古川諒子の最新作を是非お楽しみください。

今回同時に個展を開催する鈴木秀尚と共に、美術作家の菅亮平さんをゲストに迎えてのトークイベントを開催します。
概要は下記をご覧ください。

作品リストはこちら

アーティストプロフィール

古川諒子 | Ryoko Furukawa

1994年 兵庫県出身
2020年 広島市立大学 芸術学部油絵専攻 卒業
2022年 広島市立大学大学院 芸術学研究科博士前期課程 修了

私は言葉から連想されるイメージをもとに絵画を制作しており、原則として、以下の項目をルールとしている。

(1) 第三者によって書かれた文章を切り刻む。
(2) 制作者が(1)の文章を再構成する。
(3) (2)の文章のみを手がかりに、絵画を制作する。

受験期に使用した英単語帳を切り刻み、再構成した文章を絵画化している。

詳細プロフィールはこちら

 

開催概要

古川諒子 個展
「かわいそうなジェーン・ブラウンさんは国民に演説を行った」

会場:biscuit gallery 1階〜2階
会期:2023年9月14日(木)〜10月1日(日)
時間:13:00〜19:00 ※月〜水休
入場:無料
主催:biscuit gallery

【イベント開催情報】
鈴木秀尚×古川諒子トークイベント
ゲスト:菅亮平

開催日時:2023年9月16日(土) 15:00-16:00
場所:biscuit gallery

菅亮平(かん りょうへい)プロフィール

1983年愛媛県生まれ。美術作家。2016年に東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了、博士号(美術)を取得。「空虚(Void)」をめぐる思考をもとに、多様なメディアを横断的に扱いながら作品制作とアートプロジェクトに取り組み、国内外で発表する。広島市立大学芸術学部講師、Setouchi L-Art Project(SLAP)総合ディレクター。
website: https://ryoheikan.com

 

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Artists

中澤ふくみ/Fukumi Nakazawa

中澤 ふくみ/Fukumi Nakazawa

中澤ふくみ


プロフィール
中澤ふくみ (Nakazawa Fukami)

1996年 高知県出身
エストニア芸術アカデミーアニメーションコース修士課

経歴
2015年4月 土佐高等学校卒業
2015年4月 京都造形芸術大学油画コース入学
2017年2~8月 ウィーン美術アカデミー交換留学
2019年3月 京都造形芸術大学美術工芸学科油画コース卒業
2020年8月 エストニア芸術アカデミーアニメーションコース入学

展示歴
2015年8月 TOSA美術アカデミー展(グループ展)高知市文化プラザかるぽーと、高知
2015年11月 国際交流展「ドキドキ」(グループ展)cumonogallery、京都
2016年5月 国際交流展「encounter」(グループ展)食堂ルインズ、京都
2016年6月 「おまえと誰か」(個展)京都造形芸術大学、京都
2016年7月 「ななしのほし」(グループ展)京都造形芸術大学、京都
2016年7月 TOSA美術アカデミー展(グループ展)高知市文化プラザかるぽーと、高知
2016年11月 国際交流展「MULTI」(グループ展)ギャラリー知、京都
2017年1月 「oneroomノマドの現在地」(グループ展)嵯峨芸術大学、京都
2017年8月 「TschauRagazzi」(グループ展)ウィーン美術アカデミー、オーストリア
2018年4月 「嬉々として奇形していく」(個展)いのくま亭、京都
2019年2月 「京都造形芸術大学卒業展」(グループ展)京都造形芸術大学、京都
2019年2月 「宇宙船地球号」(グループ展)東京都美術館、東京
2019年5月 「嬉々として奇形していく」(個展)galleryE、高知
2019年6月 「アートアワードトーキョー丸の内2019」(個展)行幸地下ギャラリー、東京
2019年6月 「中性になって飽和する」(個展)galerie16、京都
2019年10月 「LittleCloud」(グループ展)上之町會舘、岡山
2019年10月 「小さいわたしたち Whoarewe?」(グループ展)+1art、大阪
2019年10月 高知県展(グループ展)高知文化プラザかるぽーと、高知
2020年11月 「見えない世界invisibleworld」(グループ展)+1art、大阪

受賞歴
2018年11月 「国際瀧富士美術賞」優秀賞受賞
2019年2月 「京都造形芸術大学卒業展」美術工芸学科学長賞受賞
2019年6月 「アートアワードトーキョー丸の内2019」後藤繁雄賞受賞
2019年10月 「高知県展」特選、県美術振興会奨励賞受賞
2020年6月~ クマ財団奨学生