網代 幸介 / Kosuke Ajiro
Profile
網代 幸介 / Kosuke Ajiro
1980年 東京都出身
2000年 桑沢デザイン研究所夜間部ビジュアルデザイン専攻 卒業
Concept
網代幸介(1980年生まれ)は東京を拠点とするアーティスト。幼少時からみずからの内にある「もうひとつの世界」を作品にあらわし、追求しています。アクリル彩による絵画を中心に、陶による造形や絵皿、人形の立体作品、アニメーション、音楽などを手がけてきました。
「もうひとつの世界」は、作家の子ども時代の記憶や、影響を受けたものごと、身近な出来事にもとづきながらも、「中世くらいの発達段階でいったんは滅びた、知られざる文明」というナラティブ(語り方)であらわされます。それは虚構でありながら、同時に作家の内的現実なのです。網代は、この失われた文明を発掘する考古学者として、目の前で展開される遠い過去の歴史を、つぎつぎと絵筆で描きとめ、記録していきます。作品は古代の遺物であり、朽ちたような経年変化の痕跡があるのはそのためです。 各作品には、時代設定やコンテクストがあり、登場する人物や空想的な怪物にはときに固有名があたえられ、描かれる場面には意味があります。起源を説くものであったり、教訓、寓話であったり、小さな出来事であったりと、さまざまです。これらの詳細な設定は、王朝、創世神話、文明といった壮大なスケールにまで発展し、その全貌は、作家自身にもまだわかっていません。制約から解き放たれた「もうひとつの世界」では、さまざまな不条理がみられます。残酷さとユーモア、グロテスクと可愛らしさが同居するのも、不思議ではありません。作家はしばしば「少女」の姿となった自身を目撃し、絵で記録するというドッペルゲンガーが起こります。
網代作品には、日本の伝統的な絵巻物やヨーロッパ中世写本、古今東西のさまざまな民衆的宗教美術の要素をみることができ、とりわけヒエロニムス・ボスの影響があげられます。深層意識の表出という意味ではユングや、シュールレアリスムの幻視、アウトサイダーアートと関連づけることでもできるほか、現代日本のキャラクター文化との近親性もみられます。
主な展示歴
【個展】
2023「Cloudy」noir/NOKTA、静岡
2023「Sally」arflex東京、東京
2023「ヘルルル」Kousagisha Gallery、京都
2023「樹海」にじ画廊、東京
2022「霧の中で」LIBRAIRIE6、東京
2022「BARBACHICA 」SUNNY BOY BOOKS、東京
2022「Sally王朝」noie extent、東京
2022「終わりのない夢」NADiff modern、東京
2021 「Labyrinth」URESICA、東京
2020 「PARADISE」Native Village、東京
2020 「それはまぼろし」gallery hydrangea、東京
2020 「神さまたち」NADiff modern、東京
2020「ミス・ソーダのたのしいお茶会」霧とリボン、東京
2020 「山羊を抱いて眠る」noir/NOKTA、静岡
2019「そこなし」martha、大阪
2019「皿と絵」URESICA、東京
2019「attic」ondo、東京
2018「オレンジよりゴールド」nowaki、京都
2018「Огонёк」SUNNY BOY BOOKS、東京
2017「Sallyの設計図」URESICA、東京
2017「Po to Pou」にじ画廊、東京
2017「コールタールの夜」Galerie LE MONDE、東京
2017「もうひとつのおはなし」ON READING、名古屋
2016「Reinette」ondo、東京 / 大阪
2016「きみのしらない街」綠光+marüte、台中
2016「そこにとどまるものたち」Galerie LE MONDE、東京
2015「きみのしらない街」ondo、大阪
2014「SCROLL」ondo、大阪
2014「きっとそういうこと」gallery ie、大阪
2013「よづり」ondo、大阪
2011「サーベル夫人」新宿眼科画廊、東京
2010「fogbound」新宿眼科画廊、東京
【グループ展】
2024「6 drawings Vol.2」biscuit gallery、 東京
2023「Bountiful」QUIET GALLERY、香港
2021「Collectors’ Collective Vol.5」biscuit gallery、東京
2020「ART NAGOYA」HARMAS GALLERYブース、名古屋
2019「aupuni」新宿眼科画廊、東京
2018「沙沙」七号閱覽室、高雄
2018「REUNION」栞日、長野
2014「YONA YONA」MAISON D’ART、東京
2013「tsuji」新宿眼科画廊、東京
2010「YOUNG ARTISTS JAPAN VOL.3」tagboat、東京
2010 「ワンダーシード2010」ワンダーサイト渋谷、東京
【アートフェア】
2024 Kiaf SEOUL 2024 (biscuit gallery booth)
2024 Art Fair Tokyo 2024 (biscuit gallery booth)
■著書
2022「BARBACHICA」(SUNNY BOY BOOKS)
2021 「てがみがきたな きしししし」(ミシマ社)
2018 「サーベルふじん」(小学館)