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biscuit gallery is a commercial gallery to handle led
by a young writer of domestic and foreign contemporary art.

 

【2人展】三浦光雅×井上七海 「perspective」

渋⾕区松涛⽂化ストリートに構える現代アートのコマーシャルギャラリーbiscuit gallery(渋⾕区 松濤)では、この春に京都芸術大学大学院を修了した2名の美術作家、三浦光雅と井上七海による2人展「perspective」を開催致します。

会期は2021年7月29日(木)から8月8日(日)です。

 

「何を」が「ない」

井上七海、三浦光雅の二人はそれぞれ自らルールを課し、絵画を制作している。
そのことは共通しているが、そのルール設定を課すことになった理由は異なっているように思える。つまり、井上は自らの「勤勉さへの執着」、三浦は自らの「怠惰さへの抵抗」として、それぞれにルールを課すことで何とか自分自身と絵画を作ることへの繋がりを見つけているのではないか。
井上の「勤勉さへの執着」は、常に「なさねばならない」という強迫的な思いに駆られつつ、常に「何を」を欠いている。目的語を喪失した形で主語、述語を駆動させるには、「私が、する」場を与えること、つまり「方眼紙」という場を設定し「私が、する」。
一方、三浦の「怠惰さへの抵抗」は、常に「したくない」という誰しもが持つ「怠惰さ」に対して強制的に「目的」を与え抵抗する。ここでいう「目的」は三浦にとって必然ではない。井上にとっての「何を」と同様に、初めから「ない」。「ない」からこそ仮の目的「乱数」が与えられ、それに奉仕する。
このように書くと二人を否定しているようにも聞こえるかもしれないが、別にそうではない。むしろ、このように「勤勉さへの執着」と「怠惰さへの抵抗」は私自身も自覚しているし、多くの人もこの間のグラデーションのどこかに位置しているのでは、と思う。というか、怠惰さへの抵抗として勤勉さへ執着しているとも言えるし、結局一緒では、と思わなくもない。実際、このテキストを書くことになって正直「・・・」となかなか手が動かない自身の「怠惰さ」に対して、どうにか「ん!」と抵抗し、今現在勤勉にこちらを書いているのだが・・・話を戻す。
常に「何を」を含む「内容」が先行して、それを表現するために「形式」があるわけではない。かと言って二人の「何を」の「なさ」による表現はフォーマリズムが志向する形式のみの純粋な抽出でもない。
むしろ、「何を」が「ない」という「内容」を表現したために事後的に「形式」のみが浮かび上がっているのではないか。そして、これは「何を」を積極的に打ち棄てるフォーマリズムとは異なる、消極的な形式の発露ではないか。
ただ、この消極的な形式という言葉を私はネガティブなものとして捉えてはいない。むしろこの消極性にこそ、2人の可能性があるのではないかと考える。
つまり、正統フォーマリズムの学術的な発展ではなく、「何を、を持つことができない」現代の人間のあり様、世界のあり様を「内容」とするオルタナティブなフォームを発展させられるとしたら、、と夢想したからだ。

池田光弘

三浦光雅《d,49》 アクリル、パネル、麻 210×297×30 mm

井上七海《スフ6》アクリル絵の具、綿布、パネル、515×364×30mm

アーティストプロフィール

三浦光雅 Koga Miura

「偶然性・無作為性・手作業と機械作業の境界・労働」をテーマに、主に平面作品を制作している。乱数による指示を元にイメージを作り上げていく方法は、制作過程で生じる躊躇いを排除し、無意識的で純粋な行為を映し出すためのものである。機械的に引かれた線にも固有の表情が生まれるように、淡々とした日常を見つめ直すために制作する。

-略歴-
1997年東京都生まれ

2021年 「2020年度京都芸術大学 修了展」(京都芸術大学)
「exhibition from shu」(Y gion)

2020年 「WEB SPURT 2020」(京都芸術大学Webマガジン『瓜生通信』)
「COLORS」(神戸元町 歩歩琳道画廊)
「HOTEL ANTEROOM NAHA」常設展示(ホテル アンテルーム那覇)
「シェル美術賞2020」(国立新美術館)
「シブヤスタイルVol,14」(西武百貨店渋谷店)

2019年 「2018年度京都造形芸術大学 卒業展」(京都造形芸術大学)
「HOP 2019」(京都造形芸術大学)
「OPEN STUDIO」(京都造形芸術大学)
「EXHIBITION UNKOWON EYES」(THE STORIES)

2016年 「ノゾキ」(gallery&)

受賞歴
シェル美術賞2020 入選
2020年度京都芸術大学 修了展 大学院賞

 

井上七海 Nanami Inoue

ひたすらに線を引く行為を繰り返し、その反復した行動のなかで生じる線のズレや絵具溜まりなどの痕跡を残す。

-略歴-
1996年 愛知県生まれ
2019年 名古屋芸術大学美術学部美術学科洋画2コース 卒業
2021年 京都芸術⼤学⼤学院修⼠課程 美術⼯芸領域油画分野 修了

2021年
「DAWN-EXPOSITION 2021.04-」 銀座蔦屋書店 GINZA ATRIUM/東京
「2020 年度 京都芸術大学 大学院修了展」 京都芸術大学/京都

2020年
「From The Youth at Higashiyama」 ⻘春画廊/京都
「S-2Ds」 ex-chamber museum/東京
「ARTISTSʼ FAIR KYOTO 2020」 京都文化博物館/京都
「ANTEROOM NAHA_Phase 2020」 ANTEROOM 那覇/沖縄

2019年
「SWING~令和元年~Gallery Ohrin Selection 井上七海・斎藤亮輔・田中里奈」ギャラリー桜林(常陸国出雲大社)/茨城
「名古屋芸術大学卒業制作展」 名古屋芸術大学/愛知

受賞歴
2021年「京都芸術大学 大学院修了展」 優秀賞
2019年「名古屋芸術大学 卒業制作展」 優秀賞 ブライトン大学賞

開催概要

三浦光雅×井上七海
「perspective」

会場:biscuit gallery 1階〜3階
会期:2021年7⽉29⽇(⽊)〜8⽉8⽇(⽇)
時間:13:00〜19:00(土日:12:00〜18:00)
入場:無料
主催:biscuit gallery