biscuit gallery Curator Projects 第2弾企画〜waxogawaキュレーション グループ展「帰路にまざまざと知る」/ biscuit gallery Curator Projects Vol. 2 − Group Exhibition Curated by waxogawa “enlighted things in a way to home”
この度、biscuit galleryでは、若手キュレーターの活動支援企画「biscuit gallery Curator Projects」第2弾として、waxogawaキュレーションによるグループ展「帰路にまざまざと知る」を開催致します。会期は2024年2月1日より、biscuit gallery3フロアにて開催予定です。
2月3日(土)には、キュレーターwaxogawaと布施琳太郎によるトークショー「長い沈黙。」[Long silence.]も開催致します。
biscuit galleryは、2022年から若手キュレーターの活動を支援するための企画「biscuit gallery Curator Projects」を開始しました。初回は松江李穂(現・埼玉近代美術館学芸委員)がキュレーションを務めた、菊谷達史氏と前田春日美氏の2人展「影をしたためる notes of shadows」が2022年9月に開催されました。
展覧会は好評を博し、その後、広く新たなプロジェクトの提案を募集し、多くの応募が寄せられました。その中から選ばれた新しい企画が今回開催する、waxogawaのキュレーションによるグループ展「帰路にまざまざと知る」です。企画の強さだけでなく、企画の内容や実現に向けた具体的な計画やアクションプランなどの記載が現実的だったことが選抜理由です。
展覧会に参加するのは、Christos Mavrodis(オランダ)、袁方洲(中国)、田中小太郎、Lily Spacey、添田奈那、ペロンミ(いずれも国内)の6名です。会期は2024年2月1日より2月18日まで開催いたします。
今回キュレーターを務めるwaxogawaは、現在慶應義塾大学政策・メディア研究科に在籍中。これまでの展示歴に「cubed of conjunction」(2022、新宿眼科画廊)「kɯ̟ᵝzɨᵝɾe̞^崩れ」(2023、デカメロン)などがあります。
先天性重度の難聴を持つwaxogawaは、特定の領域に所属せず、アカデミアや美術教育の周縁として、またマジョリティ/マイノリティの周縁としての立場から、これまでキュレーション企画を立ち上げてきました。
展示タイトルにある「帰路」は、waxogawaが幼少期に経験した言語訓練の帰り道——両親の送り迎え、往復5時間かけて病棟へと通った毎週の記憶、高速道路のテールランプの連なり、言語獲得のプロセスを通じた社会への開かれ——を象徴しています。
本企画には、自身の立場や経験から「ひとりで孤独に嬉しく立ちすくむこと」を実践したいという、waxogawaの想いが込められています。
そんなwaxogawaの想いに賛同した6名の作家達の新作を、本展ではbiscuit galleryの3フロアを使い発表いたします。
本企画は今後も継続して開催を予定しております。
キュレータープロフィール
小川楽生 | waxogawa
2001年生まれ、先天性重度両耳難聴者。言語訓練により言語を獲得。慶應義塾大学政策メディア研究科修士課程在籍中。
これまで、東京大学AMSEA・社会を指向する芸術のためのアートマネジメント育成事業第3期生、および地域芸術祭「みなとメディアミュージアム」共同代表として、アートマネジメント理論・実践を試みる。 現在は山梨県・河口湖に位置するアーティスト・ラン・レジデンス「6okken」のメンバーとしても活動。NEORT++(日本橋・馬喰町)キュレーター。
アーティストプロフィール
袁方洲 | Yuan Fangzhou
中国遼寧省生まれ。2018年清華大学美術学部工芸専攻を卒業後来日。2020年東京藝術大学大学院工芸科修士課程修了。現在、東京藝術大学大学院工芸科博士後期課程に在籍、東京を中心に活動している。人・物・自然の関係性に着目し、ポスト・ミニマリズムや仏教などの東洋思想に影響された自身の哲学に基づき、ガラス素材を中心に、立体、絵画、映像など複数のメディアと技法を交錯させる作品を展開している。
クリストス・マヴロディス | Christos Mavrodis
1995年、ギリシア生まれ。音響視覚芸術を専攻後、現在はオランダを拠点に活動。現代生活の複雑さを反映した、フィクショナルな作品が現れる場において芸術的実践を行う。彼の制作プロセスは、即興性と直感を重視しており、有機的な作品の連関での、反映と内省の感覚を呼び起こす意味環境を提示する。それは存在の根本的な問いと経験の神秘へ向き合う契機となる。
添田奈那 | Nana Soeda
日本とロンドンでアートを学ぶ。アジアのおもちゃや看板、ガラクタなどに影響を受け、「安っぽさ」への愛情や、社会の無分別な部分への憤りや悲しみを平面作品や立体、アニメーションなどで表現している。2023年にTerada Art Complex Ⅱの「YUKIKO MIZUTANI」にて個展を開催。そのほか、三越伊勢丹主催の「3D ART PROJECT」や渋谷パルコでのフェスティバル「P.O.N.D」など様々なプロジェクトや展示に参加している。
田中小太郎 | Kotaro Tanaka
2001年生まれ。物質の内部で生まれる残響音を扱った立体表現を主に制作。東京藝術大学音楽学部卒業後、美術展施工に携わりながら制作活動を続ける。
https://www.instagram.com/kota.ko.t/
ペロンミ | pelonmi
1987年生まれ。日々目にするものや感じたものを描く。
https://www.instagram.com/pelonmi_/
リリースペイシー | Lily Spacey
1998年青森生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を卒業後大阪に移り住み音楽やアニメーションなどを制作している。
https://www.instagram.com/lilyspacey/
waxogawa (小川楽生) ×布施琳太郎トークイベント「長い沈黙。」[Long silence.]
開催日時:2024年2月3日(土) 16時〜17時30分
会場:biscuit gallery 3F
定員:10名(事前申込み)
参加無料
お申込みはこちらから
「ことばを使って話すことは当たり前のことではない」という態度を採る小川と、「孤独」や「二人であること」の回復を考える布施。この両名によるトークイベント「長い沈黙。」を実施します。
本展ではさまざまなところに「詩」が織り込まれていますが、その「詩」において、「沈黙」とは何なのでしょうか? あるいは、あいかわらずなおも「詩」にこそ可能なことばはあるのでしょうか? DNA単位で刻み込まれた傷としての障害、自己紹介としての翻訳。こうしたテーマを据えながら、ゆっくりぽつぽつと語りはじめられる「沈黙」をひらきます。
開催概要
biscuit gallery Curator Projects Vol.2「帰路にまざまざと知る」
会期:2024年2月1日(木)〜2月18日(日)
時間:13:00〜19:00 ※月〜水休
入場:無料
主催:biscuit gallery
キュレーター:waxogawa
参加作家:袁方洲、Christos Mavrodis、添田奈那、田中小太郎、ペロンミ、Lily Spacey